コラム

COLUMN美容整形の起源は鼻の治療だった?

美容整形の歴史は意外に長く、美容整形の歴史について述べる場合、形成外科の歴史についても自ずと触れることになります。

美容外科と形成外科の原点は同じところにあり、紀元前6世紀頃のインドで「ススルタ」という医師が行った造鼻術が最古と言われています。当時のインドでは、犯罪人が罰として鼻を切断されることがよくあり、逆に、鼻を戻す造鼻術も必要になった背景があったようです。

この技術はギリシャやローマにも伝播し、ルネサンス期の1597年にはイタリアのタリアコッティが形成外科の教科書を執筆しています。

19世紀までには技術的な進歩を遂げ、続く20世紀には、2つの世界大戦を通して、形成外科は「医療」として確立することに成功しました。

美容整形の歴史としては、1845年にディーフェンバッハという医師が鼻の手術を行ったのが最も古いと言われています。

この鼻の整形手術が行われた背景にはユダヤ人への人種差別があります。当時はギリシャ・ローマ的な鼻が美しいとされており、わし鼻のユダヤ人が鼻を整形することには大きな意味がありました。ユダヤ人がより良く生きるために行われた技術が後々の美容整形に応用されるようになったのです。

その後美容整形は日本にも輸入されます。

第二次世界大戦後、日本では昭和初期にヨーロッパから技術が紹介されたことによって、美容整形が始まりました。

現在ではプチ整形という簡単な美容整形の手法があるので、美容整形がより身近なものに感じられるようになりましたが、その原点が切断された鼻を元に戻す治療だったのです。

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