ボトックスの基礎知識
A型ボツリヌス毒素(BTX-A)製剤のBOTOXは、精製神経毒素複合体で、Clostridium Botullinumによる発酵過程で生産される7種類の神経毒素血清型のうち、A型を単離精製したものです。
A型ボツリヌス毒素を使用することによって、筋肉と神経の結合部に作用し、局所的に筋肉の動きを弱める働きがあります。
これは、筋肉の収縮時に産出されるアセチルコリンという物質の動きをブロックする働きで、これによって筋肉の動きを抑制します。
この作用を応用することで、シワを作る筋肉の過剰な収縮を弱め、シワをなくしていくことができます。
また、汗腺に作用して汗の産生を抑制します。
額にできるシワ、眉間のシワ、目尻にできるシワ(カラスの足跡)などに有効ですが、半年から1年で吸収されてしまうことから、効果を持続させるためには、定期的な注入が必要となります。
CONSULTATION ボトックスの歴史
斜視、眼瞼痙攣、第Ⅶ脳神経障害の治療薬として1989年に米国で承認され、それ以降、諸種の疾患の治療における安全性や有効性が認められ、現在では世界各国で多くの適応症が承認されています。
特に近年では、顔面のシワや多汗症などに応用されています。
2009年1月、日本国内においてもボトックスビスタが美容目的として承認されました。