● 第109回 日本美容外科学会(JSAS)
2021.05
鼻中隔延長術における耳介軟骨フレームの工夫(シンポジウム)
鼻の手術で使用する医療材料は様々ある。選択の条件は安全性、採取のしやすさ、十分な効果などである。耳介軟骨とPDS Plate を採用している。採取や加工が容易で、移植後の柔軟性が高く自然な仕上がりである一方、軟骨の採取量や強度の問顆が挙げられる。軟骨フレームの作成方法によって強度を増すことが可能であり、術後の安定性と良好な結果を生み出すことができる。
【目的】耳介軟骨移植による鼻の手術の弱点を克服する方法を検討する。
【方法】耳甲介の採取法は、耳介後面よりS 字に切開し視野を十分確保し、耳介軟骨の変形を生じない最大限で採取する。軟骨両面とも軟骨膜を付薦させて採取する。鼻中隔延長術では耳介軟骨を2 枚とPDS Plate を使用する。鼻中隔延長術は特に延長に耐えうる強度が必要である。耳介款骨の強度は個人差が大きく、フレーム作成には工夫が必要である。PDS Plate を軟骨間に挟み2 枚重ね軟骨を短軸方向にスライドさせ、長軸方向の余剰部位を折返しボックス型のフレームを作成する。
【結果】曲げ強度も高くなり良好な結果が得られた。
【考察】鼻中隔延長のフレームは特に負荷が強く、脆弱な耳介軟骨では延長後に変形をきたす可能性がある。このボックス型のフレームは耳介軟骨移植による鼻中隔延長術の弱点を補うことができると考える。